令和7年の区分所有法改正、実際に何が変わったの?

令和7年の区分所有法改正に伴い、マンションの管理規約についても見直しが必要となっています。

「管理規約を見直したほうがいいのは分かった。でも、実際に法律の何が変わったの?」

そう思われる方も多いのではないでしょうか。

今回は、国土交通省が公表している「令和7年マンション標準管理規約改正の概要」をもとに、今回の改正でどのような点が変わったのか、全体像を見ていきたいと思います。

国土交通省が公表している「改正の概要」

国土交通省では、今回の改正内容を3枚の資料にまとめて公表しています。

この資料を見ると、今回の改正が総会の決議方法だけではなく、管理組合の運営に関わるさまざまな項目に及んでいることが分かります。

まずは1枚目から見てみましょう。

まず大きく変わるのが「総会」です

1枚目では、主に総会の決議方法や招集手続きなどについて見直しが行われています。

たとえば、これまで区分所有者全体を基準としていた「特別決議」について、総会の出席者による多数決を可能とする見直しが行われています。

また、総会を招集する際には、すべての議案について「議案の要領」を示すことや、所在等が分からない区分所有者を総会決議等から除外する制度を管理組合が利用するための手続きなども盛り込まれています。

普段の総会運営に直接関係する内容も含まれているため、現在の管理規約がどのような定めになっているか確認しておきたいところです。

修繕積立金や新しい制度への対応も

2枚目では、修繕積立金の使途や、専有部分の保存行為、新たに設けられた財産管理制度などについて見直しが行われています。

修繕積立金については、新たなマンション再生手法である「更新・売却・取壊し」の調査・設計段階の支出や、建物・設備の性能や機能を向上させる「改良」工事などにも充当できることが明確化されています。

また、「所在等不明専有部分管理制度」や「管理不全専有部分管理制度」を、管理組合として活用する際の手続きについても新たに規定されています。

総会のルールだけでなく、マンションの維持管理や将来の再生にも関わる内容が含まれています。

管理組合の役員や防災についても見直されています

3枚目では、管理組合の役員に関する規定や、防災・防火管理に関する内容などがまとめられています。

役員については、理事が出席できない場合の「職務代行者」の考え方や、役員の欠格条項の見直しのほか、役員・専門委員に就任する際の本人確認についても示されています。

また、管理組合が取り組むべき防災関係業務の内容や、防火管理者に関する規定例、喫煙に関するルールを定める際の考え方なども追加されています。

このように今回の見直しは、総会の決議方法だけではなく、日常の管理組合運営にも関係する幅広い内容となっています。

「◎」「○」の違いにも注目してください

この資料を見る際には、各項目についている「◎」「○」の印にも注目してください。

国土交通省の資料では、「◎」は、標準管理規約に準拠した管理規約の変更をしない場合、区分所有法に抵触するなど、管理規約の変更が必須となるものとされています。

一方、「○」は、管理規約を変更しなくても区分所有法には抵触しないものの、改正後の標準管理規約に適合させることが望ましいものとされています。

つまり、今回の見直しには「必ず対応する必要があるもの」と、「この機会に見直しを検討したいもの」の両方が含まれています。

まずは、ご自身のマンションの管理規約に「◎」に該当する規定がないかを確認することが重要です。

では、あなたのマンションの管理規約は?

ここまで見ると、「自分のマンションの管理規約は大丈夫だろうか」と気になった方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、今回ご紹介した資料を見ただけで、すぐに管理規約を変更できるわけではありません。

マンションごとに現在の管理規約の内容は異なります。まずは現行の管理規約を確認し、今回の改正に関係する条文を一つずつ照らし合わせていく必要があります。

また、今回の法改正への対応だけでなく、長年見直されていない規約であれば、現在の管理組合の運営や実情に合っているか、この機会にあわせて確認してみるのもよいでしょう。

あかし駅前マンション管理士事務所では、現行の管理規約の確認から、改正が必要な箇所の整理、改正案・新旧対照表の作成、理事会・総会での説明までサポートしています。